診療案内

口腔外科

お口の不健康は、全身の不健康

広がる顎関節症

ここ十数年で15倍にも増加したと言われているのが「顎関節症」です。歯や骨が成長する10代から増え始め、20~30代の女性に多く発症しています。

重症になると症状や痛みが全身に及んだり、開口障害による食事困難から精神的にも影響を受けるなど、日常生活に支障をきたす場合もあります。

顎関節症の症状

顎関節症の仕組み

下顎の上端(関節頭)と上顎のくぼみの間には、関節円板という軟骨があり、骨同士が直接擦れ合わないよう、クッションの役目をしています。この関節円板が外傷や歯ぎしりなどの咬み合わせ異常、ストレスなどにより、炎症が起こったり口が開かないなどの症状が出ます。

主な原因は、歯ぎしりやストレス、食事中に左右一方でばかり咬む、うつぶせ寝、頬杖、悪い姿勢からくる骨格の歪みなどがありますが、近年の顎関節症の増加の一番の原因は、食事の欧米化によりハンバーグやスパゲティなどの柔らかいものを食べるようになり、顎の筋肉が衰えてしまったことだと言われています。

食事時などに異音がする

顎を動かすと、耳のあたりで「カクカク」「ミシミシ」といった音がする。痛みはなく、音のみの場合は顎関節症予備軍です。

痛み・肩こり・耳鳴り

食べ物を咬む時や笑った時に、こめかみや顎関節や周辺の頬に痛みが出るのが特徴です。顎の動きに関係なく痛みが出る場合は、他の病気の可能性もありますのでご注意ください。

口を大きくあけることができない

口を開けて指三本を縦にして口の中へ入れてみてください。指が入らない方は開口障害の可能性があります。口を動かすと痛みで無意識に顎を押えてしまう場合と、朝起きたらいきなり口が開かなくなったなどの突然起こる場合、徐々に口が開かなくなる場合などがあります。

咬み合わせに違和感がある

顎関節や筋肉に異常があると、咬み合わせが変わる場合があります。急に咬み合わせに違和感を感じたら顎関節症の疑いがあります。

歯科的要因

歯医者さんで治療した歯で、プラスチックや金属冠が長期経過したり、入れた時から不適合だった場合、長年にわたって咬み合わせがずれ、顎や全身に異常をきたすことがあります。

顎関節症の治療

認知行動療法

顎関節症はやわらかいものばかり食べていた食生活や、デスクワークでの頬杖、猫背など何気なくとっていた姿勢、歯ぎしりなどが原因だったことが多いです。それらを認知し、自分で意識することで原因を取り除きます。

顎運動療法

お口の運動を指導致します。

重症以外の顎関節症はお口の運動で治ります。

スプリント治療(マウスピース)

各顎関節症の症状に合わせてマウスピースをお作りします。顎への負担の軽減、かみ合わせの安定、顎の筋肉の緊張を緩和するなどの効果があります。